母、原付免許返納す

母のもとに、免許更新時の高齢者講習を受講に関する通知が来ました。
その母ですが、来年早々にも免許(原付免許のみ)を返納すると言い出しました。

もともと「75歳を過ぎたら…」と言っていましたが、随分と前倒しするようです。

 

理由は、原付が重くて取り回しに苦労するようになったから。だそうです。見た目はあまり変わらないように思っていましたが、そんなにも体力が衰えていたのでしょうか。

 

私が退職した後であれば、車を出すなり、代わりに私が用事に出かけるなり出来ますが、まだ退職するまで少し期間があるので、その間は原付代わりの別の足が必要になりそうです。

ただ、返納自体は良いことだと思います。

 

父は70を過ぎたあとも免許を更新して乗り続けていました。

まだその頃は良かったのですが、大腸の摘出手術を受けたあと、著しく体力や筋力が低下したにも関わらず、今までどおり車を運転したがりました。

ある時、パーキングブレーキが重くて引けないと言い出して、代わりに助手席にいた母が操作したところ、簡単に引けたということがありました。

それでも車を運転しようとしたので、さすがに見かねた母が止め、その日はタクシーで移動したようです。

田舎故に公共の交通機関が少なく、仕方がない一面はあったと思うのですが、さすがにこの一見を聞いたときはゾッとしました。

もう、運転させていい状態じゃない。

 


バイクは、「もう乗れない」という限界を悟りやすい乗り物だと思います。
いくらエンジンが付いていて自走できても、最初と最後は自分の力で動かさなければなりません。
足が弱れば、停車中に車体を支えることも出来なくなります。

本人がどれほど乗りたいと言っても、そもそも乗れなくなってしまうのです。

 

対して車は、運転席に乗り込んでさえしまえば、自力で支える必要も、動かす必要もありません。

車の重さを、運転の危険性を、体感する機会が全く無いのです。

 

当たり前の話ですが、車は加減速の操作を足で行います。足が自在に動かなければ運転出来ない乗り物なのです。

にも関わらず、「足が悪いから」「歩くのが大変だから」という理由で乗りたがる人がとても多いです。

本当は「足が悪い」なら乗っちゃいけない乗り物なのに。


もちろんそれは、裏を返せば傷病者でも運転のしやすい便利な乗り物という側面もあるのですが、周囲の人から見ればとっくに「もう運転は無理」と思われても、当の本人がいつまでもそれを自覚できない、危険な乗り物だとも言えます。

 

 

父は大きな事故を起こすことはありませんでしたが、池袋暴走事件の加害者と紙一重だった可能性は大いにあります。

多分母も、それをすぐ端で見てきたから、早めの免許返納を言い出したのかもしれません。

自分も同じような歳になった時は、早めに返納するようにします。