野に下る

随分昔のことですが、光栄(現 コーエーテクモ)の三国志という歴史シミュレーションゲームをよく遊んでいました。

ご存知の方も多いかと思いますが、群雄割拠する三国時代の英雄に成り代わり、武将たちを率いて中国大陸の統一を目指すゲームです。

そのゲームの中で、武将たちの忠誠を得るような行動をしておかないと、相性の悪い武将が勝手に職を捨てて「野に下る」ということがありました。

 

自分が早期退職に思う感覚は、この「野に下る」が近い気がします。

 

野に下った人間は何をしているのでしょうか。
俗世から離れ、世の動きからかけ離れたところから世間を眺め、ただ眺めているだけで、積極的に関わろうとしない。そんなイメージがあります。

人里離れた庵の中で静かに本を読んでいたり、時折詩を詠んだりするのでしょうか。

そして、かつての名声を伝え聞いた人物が時折訪ねてきたり、どうか力を貸してくださいと懇願されたりするのでしょうか。

 

まあそれは優秀な人の場合で、私がのほほんと隠居していても、誰も三顧の礼で迎え入れに来ることなどありえないし、話しを聞きに来ることもありえません。
何十年かするうちに訪問介護の人が「おじいさん、生きてるー?」とか来るかもしれませんが。

 

というか、元々市井の人間が市井の無職になるだけの場合は、「野に下る」なんて言いませんけども。
まあけど、言葉としてちょっと格好いいよね。と思った次第です。