タンピン≒FIRE主義?

中国で「タンピン」という言葉が流行しているらしいです。

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物心付いた頃から受験勉強を強いられ、社会に出たら長時間の激務。そして親や親戚からは結婚はいつか、子供はまだかとせっつかれる。

…昔、どっか身近なところで聞いたような気がしますねえ。

 

そんな環境が嫌になり、結婚もしない。家も買わない。最低限食べられる分だけ働き、あとは何もしないという世捨て人のような生活に走る人を「タンピン主義」というのだそうです。

 

物欲に乏しく、極めて低消費志向なところを見ると中国版FIRE主義ともとれそうですが、経済的自由を目指さないところを考えると、似て異なることのように思えます。

ただ若干指向性は違えど、似たような話というものはどこからでも出てくるものなんですね。

 

高度経済成長期まっただ中の中国で何故?とも思いますが、経済成長以上のスピードで進む貧富の差の拡大が、「どうせ自分は金持ちになれない」と諦めさせているのではないか。と分析されています。

ただ私は、ちょっと違った意見も持っています(自分の意見を全面的に支持しているわけではありませんが)。

人間とは、社会の仕組や文明が進化すればするほど、無気力な人間が増えるのではないか?と。

 

手塚治虫の漫画、火の鳥未来編に似たような描写がありました。

人類が宇宙へ進出し、いくつもの惑星を開拓し、植民星を増やしていた時代、人々は突然気力を失い、文明の進化が止まってしまう。宇宙に出た者もことごとく郷愁にかられ、地球へ戻ってこようとする。

というものでした。

 

高度に進化した社会を支えるには、人間にも高度な知能や技術を要求します。

無気力になってしまう人間は、多分賢いのです。自分に要求される能力が際限なく上昇していくのが感じ取れるため、「とてもついて行けない」と考え、諦めてしまうのではないでしょうか。

火の鳥未来編は、こう考える人間が圧倒的多数になった未来のことのような気がします。

 

こう考えると、中国も先進国になったんだなぁと思えますね。