退職の決意を伝える(残り59日)

ルビコン川を渡るカエサルも、同じように悩んだんだろうか。

もう言うべきことは決まっているし、今更決意を変えるつもりもないのに、それでもいざ行動に移すまではものすごく悩みました。

しかしそうこうしているうちに残り2ヶ月を切ってしまい…このままでは引き継ぎの時間がどんどん減ってしまうと思い、今日こそはと意を決しました。

そして直属の上司(カチョー)しかいなくなったタイミングを見計らって「すみません、ちょっとお話が…」と切り出し、年末(12/20)で退職しようと考えていることをようやく伝えました。

 

これを切り出すまでに合計4回、トイレに駆け込みました。どれだけプレッシャーに弱いんだ。

おまけに、堂々と宣言してやろうと思っていたのに蚊の鳴くような声で絞り出すのがやっとでした…

 

カチョーの反応は…一応残念がってはくれましたが、特に引き止められるでもなく、具体的にいつを最終出社日にするつもりだと訊かれることもなく…

まあ向こうも向こうで混乱していたのかもしれません。

普通、50近いオッサンが「どうしても叶えたい夢があって…」なんて理由で退職を言い出さないでしょう。(多少脚色しています)

 

「仕事が怖くなった」等と本音を言わず、出来るだけ前向きな屁理屈にしたのは、多分残される人間のためでもありますよね。

 

3年間我慢していた決意を吐き出したところでスッキリするかと思ったのですが、意外にそうはならず、しばらくは動機が収まらず、なんだか足元もふわふわと覚束ない感じで、ひょっとすると手も震えていたかもしれません。

 

これで引き返す道はなくなりました。望んでいた筈なのに、まっすぐ進む道しか無くなった事実が重くのしかかってきました。

別に後悔はしていませんが、だからと言って晴れ晴れしい気分には、このときはまだなれませんでした。

 

しばらくは何事もなかったように仕事をつづけ、定時になった頃、急激にお腹が空きはじめ、ガンガンと頭が痛くなり、挙げ句に物凄く眠たくなってきました。

そして帰るために駐車場まで歩き出した辺りで、ようやく気持ちが楽になっている事に気づきました。

 

まだ退職願も書いていないし、当然後任も決まっていません(いくらなんでも後輩くん一人ということはないでしょう…)

なのでこれからの2ヶ月間、色々と大変なこともあるのでしょうが、それでも、いつまでも続くかと思われていたサラリーマン生活に遂に「終わり」が見えてきた事実が、ようやく実感出来てきました。

頭痛や眠気も、終わりが見えたことでストレスやプレッシャーから解放されたためかもしれません。

まあ、まだ終わりではないのですけどね…

 

けどとりあえず、最後のための最初の一歩を、遂に踏み出しました。