平和が遠のきそう
ロシア軍が撤退した地域に、多数の民間人の死傷者が残されているという情報が先日から入ってくるようになりました。
当然ウクライナは厳しく指摘しており、ロシアは終始否定しています。
欧米を始め西側諸国はこの件についてすばやく反応し、ロシアに対する経済制裁を強めるようです。
一時期は停戦に向けて交渉が進むかと思われたのですが、これで降り出しどころか、マイナス地点まで戻ってしまった雰囲気です。
正直なところ、「戦時の民間人殺害」について脛に傷を持たない国は殆ど無いだろうと思うのですが、現在進行系で殺害だの拷問だの、挙げ句に遺体放置となると「ああ、そうですか」と流す訳にはいかなくなります。
対してロシア側の言い分も「便衣兵だった」とかならまだしも「捏造だ」の一点張りですし。
ロシア側が民間のビルをミサイルで攻撃する様子や、もはや焦土と化したようなマリウポリの様子が今まで散々ニュースで流されてきましたから、「一人の民間人も殺害していない」と言われても「逆にどうやって?」と訊きたくなります。
継戦能力に乏しいウクライナが、わざわざ停戦交渉を蹴ってまでこんなでっちあげをする理由が浮かびません。
もともと停戦交渉を急いでいたのもウクライナですし。
いくら軍事物資や資金の援助が得られていると言っても、恒久的に、そして無尽蔵に集まるわけではありません。
何があったかはよく分かりませんが、ロシア軍占拠下の街で尋常ならざる出来事があったとしか思えないです。
この件がなければ、停戦交渉の進み方次第では西側諸国はロシアへの制裁を解除するタイミングを見計らっていたと思うのです。
以前にも書きましたが、経済制裁はする側も痛みが伴いますから、出来ることならしたくない。
けどこの一件で、もはやそういう着地点は見えなくなってしまいました。
ウクライナも停戦合意の妥協案を考えていたとしても、今のままではロシアには不審しか抱かないでしょう。
油断したところで寝首を掻かれるのでは…と疑い始めると、交渉どころではありません。
本当にこの件、一歩や二歩の後退では収まらない可能性が高いです。
ヘタをすれば泥沼化していくかも…
そうしてまた世界は不安定になっていくのかと思うと、ちょっと恐ろしい結末も想像してしまいます。