今、インドが熱い!…のか?

「暑い」ではなく、「熱い」。

いや「暑い」も正解かもしれませんが、まあそれは置いておきましょう。

 

先日より、証券会社の営業の方からインド投信を勧められています。

曰く「インドは若い人が多く、今後の成長が期待できる」

曰く「アフリカ諸国への技術供与も行っており、将来有望」

曰く「数年の後には世界第3位の経済大国になる」

なので、今がオススメです!!

とのこと。

 

勧められるままに唯々諾々と従っていては、資産を持っている私の主体性が問われてしまいますから、自分自身でも調べてみました。

 

分かりません!如何でしたか?

 

ではなく…確かにインド経済に期待をしている人は多いようです。

嘘かホントかはともかく「儲かった!」と言っている人もいます。

インドの人口が中国を抜いて世界一になったのは事実ですし、インドの知識層は優秀なITエンジニアだったのは事実です。

しかも少子高齢化、人口減少が叫ばれている、日本を始めとする先進国家や中国と違い、これからまだまだ人口が増えていく可能性もあります。

そして冷静に考えれば、自分もインド国債を持っていました。ついでに言えば結構儲けさせていただきました。

なるほど、これは疑う余地がないような…

 

なのですが、その投信、断ることにしました。

データを見る上では、インド市場は将来有望だと思います。けど、どうにもその「数字」を信用しきれない。

別にインドに騙されたことがある訳ではないのですが。

 

例えばですが、先日NHKで特集をやっていたそうなのですが、インドでは生体認証だけで銀行口座開設ができるようにしたそうです。そしてその技術をアフリカにも展開しているそうです。

が、生体認証技術自体は結構昔からあるものでして、今どきはスマホにも指紋認証や顔認識は導入されていますが、先進国では銀行口座などのミッションクリティカルな分野では採用されていません。

これ、誤認識が多いからではないかと思っています。

9割ほどうまく行くとしても、交換の効かないパーツを認証キーにして「一定数の手違いは絶対出ます」は、絶対に拙いと思うんです。

しかもそれがスマホのアンロック程度のことじゃなく、自分の全財産と結びついているだなんて、考えるだに恐ろしい。そんなものが本当に普及するのか?と思ってしまいます。

 

そもそもですが生体認証技術自体がインド発祥ではないし、何だったら最近流行りの生成AI技術もアメリカ発だし、PCのOSもスマホもみんなそうだし。

今まで無かったものを作れる技術と、言われたものを精巧に作れる技術は違うものです。

この辺り、わが祖国たる日本もそうですが、欧米に一日以上の長がまだまだある気がします。

(ただスマホ初登場時はまだ、「ガラケー」と蔑まされた日本の携帯電話のほうがはるかに先進的だったと、私は思ってます。はい、蛇足です)

 

何より「数年後に世界第n位の経済大国に!」ってフレーズ、つい最近まで別の国に対してよく聞きませんでしたっけ?これって投資を煽るときの謳い文句なんじゃないの?

…と、邪推してしまう自分がいます。

 

インドは、欧米が制裁を行っているロシアとも取引を行い、世界の中で独自の存在感を出そうとしているように見えますが、それもインド市場への参入のために欧米がいわば見て見ぬフリをしているがために許されているだけで、欧米にとって旨味がないと判断された場合、あっという間に手のひらが返るような気もします。

 

ただ上記の件、あくまで私の憶測や、邪推、ヒネクレた思考です。

投資を行う上で大事なのはデータであり、数字であって、個人の願望や推測ではありません。

また、そんなリスクがありつつも「数年は大丈夫だろ。急成長する間だけ投資すればいい」というのが、常識的な投資家の考えだろうとは思います。

 

私は今のところ銀行貯金を投資に回すつもりはなく、インド投信を買うとなると、日本株か、どこかの投信を売却する必要があります。

他の投信も今のところはそれなりに利益が出ているので、それを売却してまで、疑念が頭をもたげるところに投資するのはどうなの?とも思うのです(J-REITは…いや多分あの子はやれば出来る子な筈だから…)

 

別に証券会社の方の言うことが信用できなかったわけではないのです。私が最後に信用しなかったのは肝心要のインド市場。

だから断ったのでした。

けどこれで私は金の卵を生むガチョウを手放してしまったのかもしれないけどね。