バイクと私 #16(走行不能編)
それは今から2年前の、2018年の7月の事でした。
初夏のとても暑い日で、ツーリングに出たのは良いものの、余りにも暑すぎたため予定より少し早めに帰ってきた日のことでした。
その日は県境付近の道の駅まで足を伸ばし、暑い暑いと言いながらもそれなりの距離を楽しく走って帰ってきました。
そして帰ってきてからガソリン補給を忘れたことに気づき、給油のためにもう一度エンジンをかけようとしたとき。
…エンジンがかかりません。
スロットルを煽り気味にしたり、チョークを細かく調整してみたりしますが、全くダメです。
運良くかかっても、数秒と持たずにやっぱりストールします。
初爆はしているので、最初はガソリンの供給系を疑い、キャブレターの掃除などをしてみたのですが変わりません。
そのうち何かひらめいたのか、それとも片っ端から見てみようと思い立ったのか忘れましたが、何気なくポイント点火装置の蓋を開けてみたところ、見慣れない、伸び切ったバネが蓋に貼り付いていました。
…なにこれ?
何かは分からないですが、自分の理解できないところが破損したのは分かりました。これはもう自分の手には負えないと思い、購入元のバイク屋に連絡し、引取修理を依頼することにしました。
バイク屋まで僅か2km程度の距離なのですが、走れないのでどうしようもありませんでした。
それにしても、と思うのです。よく帰り着くまでエンストしなかったな、と。だって、帰ってきてからもう一度エンジンをかけようとしたらもうかからなかったのですから。
もし暑さに凝りずにもう少し遠出していたら、もし、給油を忘れずに先にガソリンスタンドに寄っていたら、もう家まで辿り着けなかったかもしれないのです。
実はこの後も何度かトラブルに見舞われましたが、一度も出先で走行不能になったことはありませんでした。
これはバイクに助けられたということなのでしょうか・・・??